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講談社に行ってきました

 12月7日に講談社に行ってきました。なぜ、行ったかと言いますと、私が地域づくりの指導をしている福島県西郷村からの依頼があったからです。なぜ、依頼があったかというと次のようなことからです。
 私が一昨年まで、地域づくりコンサルとして西郷村の歴史資源の掘り起こしをしていると、森要蔵という幕末の剣豪が戊辰戦争で悲惨な最期をした地域であるということがわかってきたのです。森要蔵など知らない方も多いと思いますが、司馬遼太郎の小説「竜馬がゆく」にも登場します。彼は江戸お玉が池の千葉周作道場の師範で坂本竜馬にも剣の手ほどきをしているのです。故あって現在の千葉県富津市の飯野藩の指南役としてお抱えになり、幕末動乱でその本家筋にあたる会津藩のために参戦し、福島県西白河郡西郷村で板垣退助率いる土佐隊により幼い息子とともに壮絶な最期を遂げたのです。この剣豪の墓も西郷村にあり、これを核に観光村おこしをしようと村人が立ち上がった。調べていくうちに、なんと剣豪森要蔵の娘孫が明治期に講談社を創設した野間清治氏であることも分かってきたのです。
 ご存知のように、講談社は我が国出版社の草分けの会社で歴代社長も野間一族で今日まできています。こんなことから、西郷村は「森要蔵を顕彰するにあたり、講談社との絆を深めたい」と私にその仲介をしてくれというわけです。西郷村・森要蔵・講談社が結びつくなど西郷村民はもとより講談社社員もあまり知らないようで、歴代社員も西郷村を訪れたことがないとのこと。このように、どの地域も資源を掘り起こせばは沢山の宝が発見できるにもかかわらず、大半の地域はそれをしないようで大変残念に思います。
 この例が示すように、つくづく、地域資源のほりおこしは大切なものなんだと思うこのごろです。
 ちなみに、戦後まもなくまでは講談社は剣道が社員教育の一環だったそうです。やっぱり血は争えないものですね。